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愛犬の高齢化に伴う行動パターンと注意点とは?

群を成す野生動物において、老化は死を意味します。
加齢と共に体力が低下すると群の中での地位が低下することになるかもしれませんし、群の行動についていけなくなると見捨てられることもあるかもしれません。

もっと悪い状態になると、群の仲間の餌となってしまう可能性もないとは言えません。

人と暮らすようになったペットのイヌが餌となることはありませんが、加齢に伴って世話が大変になり介護の必要が出てくることもあります。

犬を飼っていると様々なことが起こりますが、事故で死んでしまったり、迷子で行方不明になったりすることを除いて、最後まで面倒を見るためにも老化の兆候とケアの仕方について、正しい知識を身に着ける必要があります。

犬と暮らすことはイヌの生涯を引き受けるということ

ペットとしての犬の飼い始めは、ペットショップに並ぶ仔犬やブリーダーから直接仔犬を購入するのがほとんどです。

中には、飼い主自らが愛犬の妊娠・出産を手掛けて、新しい家族を手に入れるパターンもあるかもしれません。

いずれにしても、犬を飼う、というよりは、生活を共にしていくということは、イヌの生涯を引き受けるということを意味するということを認識することが大切です。

ノルウェーのブリーダーであるMrit Teigenという人がイヌの買い手に手渡したとされる「犬からご主人への11のお願い」というのが最初とされる、イヌから飼い主への訴えを記した「犬の十戒」という有名な話があります。

一部のペットショップでは、犬を買われるお客様にお渡ししているというところもあるそうです。

元となる「犬からご主人への11のお願い」の原文は、以下の通りです。

  1. My life is likely to last ten to fifteen years. Any separation from you will be painful for me. Remember that before you get along with me.
  2. Give me time to understand what you want of me.
  3. Place your trust in me- it’s crucial to my Well-being.
  4. Don’t be angry at me for long and don’t lock me up as punishment. You have your work, your entertainment and your friends. I have only you.
  5. Talk to me. Even if I don’t understand your words, I understand your voice when it’s speaking to me.
  6. Be aware that however you treat me, I’ll never forget it.
  7. Remember before you hit me that l have teeth that could easily crush the bones of your hand but that I choose not to bite you.
  8. Before you scold me for being uncooperative, obstinate, or lazy, ask yourself if something might be bothering me. Perhaps I’m not getting the right food or I’ve been out in the sun too long or my heart is getting old and weak.
  9. Take care of me when I get old ; you, too, will grow old.
  10. Go with me on difficult journeys. Never say, “I can’t bear to watch it .” or ” Let it happen in my absence.” Everything is easier for me if you are there. Remember I love you.

引用元:ウィキペディア 「犬の十戒」

日本語に翻訳したものは訳者によって少し違いがあるようですが、

イヌの一生は10年から15年であり、愛犬の考えていることを理解し、家族として可愛がってくれれば、イヌもそれに答えるように努力するようになります。そして、イヌも人間と同じように歳をとりますが、愛犬が老犬となった後も、体調に合わせた世話・介護をお願いすると共に、最期の時を看取るまで家族として一緒にいて下さい。

といった内容になります。

すなわち、家族になった直後の仔犬の時期や元気いっぱいの成犬の時期は可愛がるだけでも十分ですが、高齢化して老犬となると体も弱くなり介護の必要性が出るようになってきます

愛犬にとっては飼い主が身内のすべてであり、老犬になっても飼い始めた時と同じように対峙し、愛犬が最期を迎えるまで一緒に過ごす覚悟を持って飼って頂きたいという切なる願いを訴えています。

生命ある犬を飼うということは、イヌの一生を背負うくらいの覚悟を持つ必要があり、「可愛いから」「ペットショップで目が合ったから」などといった衝動的な理由だけであってはならないという戒めでもあります。

老夫婦が寂しさを紛らわすために飼い始めても、飼い主がイヌより先に天国に行くようなことがあってはいけません。

愛犬の世話を途中で投げ出したり、愛犬の最期を看取とることが難しいと悩んだりするのであれば、飼わないということもペットに対する愛情の一つであるということです。

前置きが長くなりましたが、イヌも歳をとれば人間と同じように耳が遠くなったり、目が見えにくくなったりといった人間の老化現象のような症状が出てきます。

しかしながら、名前を呼んでも反応しなくなったり、何かを探すようにキョロキョロしたりするというのは、耳や眼だけが原因であるとは限らないかもしれません。

ここでは、愛犬が高齢化しても一緒に生活するために、イヌを飼い始める前に認識する必要のあるイヌの老化について解説します。

もしもこれを読んで自分には無理と思うのであれば、犬を飼うのをあきらめるということも犬を愛するが故の選択かもしれません。

愛犬は幾つになったら老化と考えるのでしょうか?

2015年に発表された統計データによると、約30万頭のイヌの寿命について調査しイヌの平均寿命は13.7年と言われています。(Preventive Veterinariy Medicine: Volume 120, Issue 2, 15 June 2015, Pages 210–218)

理由は定かではありませんが、イヌの場合には体重が重くなる大型犬の方が短命である傾向があり、哺乳動物で言われる大型の哺乳類の方が長寿という一般的な話からは外れているようです。

寿命が短い=老化が早いということになりますので、大型犬の方が老化は早くなるということになります。

小型犬で12、13歳、中型犬で10歳前後、大型犬に至っては10歳に満たない年齢でも、老化現象が始まるというのが目安のようです。

もちろん、犬種、生活環境、健康状態、既往症など様々な要因によって老化が始まる時期は、個体差が大きく影響することは言うまでもありません。

加えて生命を全うするまで、老化の兆候が表れることが無いこともあるかもしれません。

ちなみに、愛犬の年齢を人間の年齢に換算する方法として「犬の年齢を7倍する」と言われることがありますが、成犬と呼ばれる元気な時期の目安であり老犬に対して同じようなわけにはいきません。

同じ10歳でも、小型犬、中型犬、大型犬では大きな差があり、寿命の長いと言われる小型犬では人間に例えると60歳程度であるのに対して、中型犬では60歳代の中盤、大型犬では80歳前後にあたると言われています。

愛犬の老化が始まっていると考えられる兆候は?

愛犬の老化が始まる年齢というのは目安であって、個体差を考えると普段の行動パターンの変化や仕草から判断した方が良いと考えられます。

老化の兆候としては、体力の低下と免疫力の低下が挙げられます

加齢に伴い代謝機能が低下すると著しく筋力が低下してきます。

イヌは自分の筋力が低下していることに気付くことは無く、若い時と同じように行動することで足腰の関節を痛めることになります。

関節痛は成犬時代に肥満傾向にある、すなわち体重が平均体重よりも重くなってしまっているイヌに多くみられる現象です。

関節痛が出てくると痛い部分を庇って脚を引きずるようになり、散歩そのものが億劫になるので普段よりも早く家に帰ろうとする傾向が現れます。

寝ている状態から立ち上がるのが大変になったり、階段の上り下りが困難になったり、溝に脚を落としたりする行動が目立つようになります。

進行すると散歩に出かけることそのものができなくなり、家で寝ている時間が長くなったりすることもあります。

寝ている時間が長くなるとエネルギーの消耗が少なくなりますが、それに伴い呼吸が浅くなり炭水化物や脂肪の燃焼による熱の発生が抑えられ、体温が低下してくることも考えられます。

雪の降る日でも外を元気よく走り回るのがイヌのイメージですが、体温が低下した老犬だと冬場の寒い日には室内でもブルブルと震えていることもあるくらいです。

体温の低下は体の中の消化器官の活動も制限し、食欲の低下や消化機能の低下も起こりえます。

食欲の低下は食べ残しが発生するだけですが、逆に、老化に気付かずいつもの調子で食べていると、消化が間に合わず嘔吐や下痢をすることが多くなるということも考えられます。

高齢犬では代謝機能そのものが低下していますので、消化不良が起こりやすい体になっているというわけです。

体温調整が問題になるのは冬場だけではありません

上がった体温を下げる能力も低下していますので、夏場の暑い時期に散歩していると熱中症になるリスクが高くなるというのも老犬の特徴です。

真夏は日陰を歩くようにしたり直射日光の少ない早朝や夕暮れ時に散歩したりするといった対策だけでは、不十分かもしれません。

散歩コースになっているアスファルトや石は昼間の太陽光で高温化しています。

直接触れる肉球も熱いですが、輻射熱で体温が上昇しやすいため、体温調節に不安のある老犬は熱中症になってしまいます。

アスファルトに掌を当てて5秒から10秒は触っていても大丈夫な温度に下がってから、散歩に出るようにしましょう。

代謝機能と体力の低下と共に高齢犬で目立つのが、免疫力の低下、すなわち、病気になりやすいということです。

感染症や皮膚炎はもちろん、下痢をする原因も単なる消化機能の低下ではなく、細菌感染による食中毒かもしれません。

感染症による咳が目立つようになったり、皮膚病に伴う脱毛で被毛が薄い場所が目立ったりすることも考えられます。

また、免疫力が低下するということは、腫瘍に対する抵抗力も低下することを意味します。

悪性であればがんということになりますが、良性腫瘍であれば目の周りや口周りなど被毛の少ない部分にイボのような突起物が目立つようになります

肛門付近の炎症が起こると筋肉が減少していることもあり、軟便や下痢便を我慢することができずに犬舎の中や家の中で脱糞してしまうこともありえる話です。

また、吐く息が臭くなったり、歯がぐらついたりすることがあれば、歯周病になっているかもしれません。

イヌの認知症

認知症というと徘徊老人や、言動・行動がアブノーマルといった人間の高齢者に診られる疾患、というイメージですが、イヌにも認知症はあります。

愛犬の初期の認知症のシグナルとしては、これまでしてきた行動ができなくなったり執着心が無くなったりすることだそうです。

また、時間感覚が無くなり、寝るべき時に眠らず起きているべき時間帯に寝る、といった睡眠障害にも注意が必要です。

トイレなどの躾はしっかりできていたはずなのに、どこですれば良いのか分からなくなってしまうこともありますし、飼い主が分からなくなってしまうということもあるそうです。

また、情緒不安定になり、大人しい愛犬がやたらと吠えたり咬みついたり、あるいは、その場で意味もなくクルクル回り出すといった行動をとることもあるようです。

認知症を患ったイヌは位置や方向に関する感覚も無くなってきますので、脱走すると徘徊するというケースもあると聞きます。

さらに、体や尻尾に触れても無反応になるというのも、イヌの認知症の症状と言われています。

老犬の介護について

耳や眼に不安を抱えるとちょっとしたことに驚き、襲われるのではないかという恐怖心が先にやってきます。

背後から急に触れるのではなく、愛犬が認識できるように正面からゆっくり触れるようにしましょう。

安心感を与えることが大切になってきますので、飼い主の臭いが付いたタオルや玩具などを常に傍においてやることで、飼い主が近くにいるように感じさせるというのも一つの手段です。

足腰に不安のある老犬の場合には、散歩のコースをできるだけ起伏の少ない平坦な道を選択すると共に、階段の上り下りをすることが無いように工夫したりすることが大切です。

溝を飛び越えることすら困難になってきますので、小型犬であればそのような場所では抱っこしてあげる配慮も必要です。

冬場の寒さは痛めた足腰に響きますし、体温調節が儘ならない状態では尚更です。

冬場に体を温めてやるために毛布やタオルケットを被せたり、床マットの下に使い捨てカイロを張り付けたりするのも良い方法です。

人が暖を取る場合と異なり、極端に温める必要はなくほんのりと温かければ十分です。

ただし、体温調節に不安のある老犬では、過剰に温めすぎるのはマイナスです。

暑ければ自分で涼しいところに移動できるように工夫することも大切です。

暑い夏場の注意点としては、何といっても熱中症対策です。

人間でも熱中症で倒れるのは高齢者が多く、体温が上昇すると下げる術が乏しい老犬では、人間よりも熱中症になりやすくなります。

家で寛いでいる時には、できるだけ風通しの良いところで寛ぐことが出来るよう工夫をし、散歩も早朝や日没前の薄暗い時にすると同時に、距離や時間も短めにすることが大切です。

出発時は元気であっても、汗をかかないイヌは口を開けて舌を伸ばし、体の中に溜まった熱を逃がすしか方法がないため、散歩中に「ハアハア、ゼイゼイ」と呼吸が激しくなってきたら、日陰で休憩して給水できるように、水飲み用の容器と冷たい水を用意しておくことが有効です。

熱中症を発症すると嘔吐・下痢が起こり、腰が砕けるようにその場にへたり込んでしまいます。

呼吸に合わせて、お腹がすごい勢いで膨らんだり萎んだりするようになります。

そんな時には、全身に水をかけて体温を下げ、頭部も冷やさなければいけませんので、自宅から離れている住宅街の場合は、どこかのお家に水の補給をお願いする必要があります。

普段から散歩コースの周りの家の人とは仲良くしておいた方が良いですが、愛犬のことを可愛がってくれているお家の前を通るような散歩コースを考えると良いと思われます。

認知症の症状が現れた老犬では脱走・徘徊が最も危険ですので、リードを離さないということと飼い主が愛犬とより密着して生活することが重要です。

状況によっては、寝付くまで添い寝するくらいの覚悟が必要かもしれません。

まとめ

介護が必要となった老犬の世話は想像以上に大変ですが、愛犬が安心してストレスなく生活できるように考えることが大切です。

普段の行動を良く観察して、「何処に不具合があるのか?」「何が苦しいのか?」など、愛犬の気持ちになって世話をするように工夫するようにして下さい。

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