犬が恐怖心を持つのはどんな時?

犬の先祖はオオカミですから、攻撃的な生き物だと思っていませんか?

犬嫌いな人は、犬に対して

  • 本能の赴くままに行動
  • 気に入らなければ吠えまくる
  • 敵意をむき出しにする
  • 咬みついてでも自分のテリトリーを守る

 

など、犬が自己主張の激しい動物のようなイメージを持っているように思います。


確かに、自分の縄張りを荒らす敵に対しては容赦なく好戦的な態度をとることもありますし、飼い主が攻撃されれば相手に向かっていくという飼い犬もいます。
相手が自分よりも体の大きな敵で、どう考えても勝ち目がないと分かっていても、飛び掛かっていく勇気のある犬もいます。
しかし、日常的な犬の行動や反応などを見る限り、犬は常に周りに気を配り、自分に火の粉が飛んでこないように細心の注意を払っている大変臆病な動物です
「弱い犬ほどよく吠える」という格言がありますが、恐怖心があるから吠えているのであって、臆病でなければ無言で飛び掛かっているというわけです。

犬が臆病な動物であることが頭の構造から分かる!?

人間と動物の頭の構造の違いが、動物の方が人間よりも強い恐怖心を持ちながら暮らしていることが証明されるそうです。
怒り・恐怖・喜び・悲しみなどの心の動きである情動行動の中心にあるのが扁桃体と呼ばれる領域です。
前頭葉に伝達された知覚情報をもとに脳が安全であると判断するとき、前頭前野皮質がオールクリアシグナルと呼ばれる信号を扁桃体に伝達し、扁桃体の恐怖反応を抑制することになります。
さて、犬の前頭葉はというと脳全体の7%程度しかないのに対して、人間の前頭葉は29%を占めているということです。
このことから、前頭葉が未発達の犬は目の前で急激に起こっている出来事が怖いことなのかどうかがなかなか判断でない状態であり、恐怖心が増強される傾向にあるということになります。

参照元:abcNEWS.com 前頭前野皮質が不安を解消する
http://mui-therapy.org/newfinding/all_clear_signal.htm

犬はトラウマになりやすい!

心の傷というのは愛犬の個性によって違いはあるかもしれませんが、飼い主に怒られたことや散歩で出会った犬に吠えられた記憶が長く頭の中に残っている状態を「心的外傷(トラウマ)」や「急性ストレス障害」と呼ばれる症状です。


この症状が一ヵ月以上続くときには、心的外傷後ストレス障害、いわゆる、PTSDと呼ばれる精神的な病気です。
同じ恐怖を味わってもPTSDになる人とならない人がいるわけですが、PTSDにならない人は脳の言語領域が活発で、視覚的な恐怖情報を言語が抑圧する「言語の隠ぺい効果」によって恐怖心を消しています。
すなわち、言語を持たない犬は人間よりもPTSDになりやすく、恐怖体験を視覚的にしかとらえることができないということになります。
言い換えるならば、犬は人間よりも恐怖に弱い動物であり、一度恐怖と感じた情報はなかなか消えることがないということです。
実際に飼い主と暮らしている愛犬がPTSDになるまでひどい仕打ちを受けるとは考えにくいですが、長期にわたって保護されることがなかった保護犬は放浪している間に様々な恐怖を味わってきていることが予想されます。
日本テレビ系列で放映されている「天才志村どうぶつ園」で保護犬を一時預かりするという企画が放映されていましたが、番組に登場した犬はPTSDになっていた可能性もあるのではと考えてしまいます。

参照元:子犬のへや 犬の恐れ
http://www.koinuno-heya.com/fukushi/osore.html

犬が怖がるものは?

犬がたいへん怖がりであることと一度体感した恐怖がなかなか抜けないということから、愛犬が幸せに暮らすうえで、愛犬が恐怖心を持ってしまうような出来事や環境はできるだけ避けることが大切になってきます。
さて、犬はどんなことやどんなものを怖がるのでしょうか?
犬と人間では五感と呼ばれる視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚のうち、特に、視覚、嗅覚、聴覚が著しく異なっています。
臭いで恐怖を感じることはありませんが、人間にとって大したことではなくても、犬特有の視覚と聴覚が大きな恐怖につながることもあります

見え難いから怖い!?

犬に見えている世界は、人間が見ている世界とはかなり違いがあることをご存知ですか?


犬の視神経は人間の7分の1程度しかなく視力が人間よりも数段低い状態です。
また、人間の目に映る色は青、黄色、赤の三原色と呼ばれる3色で構成されていますが、網膜に存在する錐状体と呼ばれる光受容体が色を識別しています。
それぞれの色に対する錐状体があって初めて三原色を認識できるわけですが、3種類すべてを持っている人間に対して霊長類以外の哺乳類には2種類の錐状体しか存在していません。
具体的には、犬は赤い色を認識できない、すなわち、青と黄色が混じった黄緑っぽい世界しか見えていないということです。
何故そんなことになっているのかというと、犬の祖先のオオカミは夜行性の動物で、目に要求される能力は色よりもわずかな光で動くものを追いかける能力が優先されるからだそうです。
というわけで、虹彩と呼ばれる部分が発達し、わずかな光を取り込むための瞳孔を大きく広げることができるようになっています。
だから、犬の目には白目がほとんどないのです。

見える世界が異なるための恐怖

必要であるからこそ発達してきた犬の視力ですが、視力が弱いことと虹彩が発達しているということが愛犬に思わぬ恐怖心を生み出すことがあります。

  • 水面や金属などによる光の反射
  • 側溝に付けられている格子状の蓋
  • 風に動くビニール袋
  • 駐車場にかかっているチェーン
  • まぶしい光
  • 急に動く大きな物体


など、簡単に言えば、「キラッ」と光るようなものが怖いということになります。

ぼんやりとしか見えていませんので何か分からないという恐怖もありますが、特に、暗闇の中でピカッと光るもののように明暗の対比が激しいものは最悪なのかもしれません。

参照元:子犬のへや 犬の恐れ
http://www.koinuno-heya.com/fukushi/osore.html

そういえば、こんなことが・・・!?

愛犬の写真を撮ろうとしたときに嫌がる子が多いのは、写真を撮るときに光ったフラッシュがトラウマになっていて、カメラを向けられるだけで怖い光が来ると感じているのかもしれません。
また、人が落ちないように溝に取り付けられている格子状の蓋を踏んでわたる犬はあまり見ません。


肉球が気持ち悪いから飛び越えているのかと思っていましたが、細かい格子が入っている蓋を弱い視力で見ると穴が開いているように見えるかもしれません
また、ステンレスがむき出しで、太陽光を反射すると明暗がきつすぎて恐ろしく感じている可能性もあるのですね!
また、犬の目に映る世界がモノトーンに近い状態で見えていることを考えると、黒い帽子に白いマスクをしている人は怖いからよく吠えるのかもしれません
赤い色は黒っぽく見えるそうですので、犬に好かれたいときには黒や赤を基調とした服装は避けた方が良いのかもしれません。

参照元:子犬のへや 犬の目・視覚
http://www.koinuno-heya.com/zukan/sight.html

大きな音や嫌いな音も怖がりますよ!

犬には様々な耳の形がありますが、形状やたれ耳などには関係なく優れた聴力を持っています。
犬は、人間が聞き取ることができるぎりぎりの大きさの音を4倍離れたところで同じ音量の音がしても聞き取ることができるというデータもあります
小動物を狩って生活しているオオカミは、どんなに小さな音でも聞き逃さないようにしなければいつまでたっても獲物にありつくことができませんし、逆に、自分たちの敵が近づいてきていることにいち早く気付かなければ生き残ることもできません。
他方、聞き取ることができる音の波長というのも犬と人間では大きく異なっています
犬の可聴域は40ヘルツから65,000ヘルツと言われており、人間では音と認識できない音、いわゆる、超音波を聞き取る能力があります。
特に、3,000ヘルツから12,000ヘルツといった小動物の甲高い声、あるいは、それとよく似た金属同士が擦れる音であるモーターの音はよく聞こえるそうです
僅かであれば、獲物かもと思うのかもしれませんが、掃除機などの電気器具のように連続して聞こえる音が飛び込んでくれば、逆に恐ろしくなってしまうのかもしれません


まあ、掃除機が大好きな子もいるようですが、そんな子は「獲物がいっぱい!」と喜んでいるのかもしれません。

参照元:子犬のへや 犬の耳・聴覚
http://www.koinuno-heya.com/zukan/hearing.html

犬が雷を怖がる原因

雷の音や花火の音に反応してパニックを起こすほど怖がる犬というのは、たくさんいます。


これまでの聴力の説明では良いことの方が多いように思われますが、犬の耳のポジションの関係上、音が鳴っている方向が分かりにくいという欠点もあります。
耳は集音機のような役割をする器官ですが、左右の耳が頭の上に平行についている柴犬やボーダーコリーのような犬種では、左右の耳に入ってくる音の時間差が少なく音の方向を特定するのが難しくなります。
我が家のトイプードルは、雷の音が鳴っても全然怖がりません。
垂れ耳のトイプードルのように人間の耳のポジションと似たような形状の場合には、左右の耳に入ってくる音のずれから方向を特定する能力が少しは高いのかもしれません。
でも、音そのものが嫌いならばパニックになるのは同じですので、そんな時には耳の形や犬種は関係なさそうです。
というわけで、雷や花火の音でパニックになる犬の場合、雷の音そのものが不快というよりも音源の場所が分からない状態で「ドーン」という大きな音が聞こえてくるのが恐ろしいという要因の方が多いのではないかと推測されます。
もしかすると、自分に何か起こるのではないかと感じているのかもしれません。
また、屋外で飼っている愛犬の場合には、音よりも先に来る雷の「ピカッ」という稲光も怖いのかもしれません。

動きを束縛されることに対する恐怖

小型犬では抱っこが大好きということもいますが、それは抱き癖がついているからであって、基本的には犬は拘束されることが大嫌いです。
野生では身動きが取れない、すなわち、相手に自分の動きを制圧されている状態は、敗北を意味し相手に食べられても仕方のない状態です。

抱っこを拒む小型犬の場合

愛犬を迎え入れたときは可愛くて抱き上げてしまうことは良くある話ですが、頻繁に抱き上げられて「抱っこ慣れ」している愛犬は成犬になってからでも甘えて抱っこを要求することがあります。


しかし、犬は基本的に拘束されることが嫌いな動物ですので、初めて抱き上げたときには暴れたりしたということはありませんか?
個性もありますが、子犬のころに抱き癖がついていない愛犬は、抱き上げられて動きが制限されることに恐怖を感じて嫌がる子の方が圧倒的に多いようです。
もしかすると、子犬ころに抱き上げられて暴れたために落とされるという恐怖を味わって、トラウマになっているということもあるのかもしれません。
ちなみに、中型犬や大型犬は子犬の時には抱っこできても、体重が増えてくると物理的に抱っこができなくなりますので、抱き癖は自然に解消されるようです。

嫌いな薬を飲ます時やシャンプーしようとして咬まれたことはありませんか?

いくら食べることにどん欲な愛犬でも、苦みには特に敏感に反応しますので苦い薬を飲まそうとしてもすぐに吐き出してしまいます。
野生の本能で苦い=毒と考えるという話もあるようですが、飲まそうとしても思い切り抵抗します。
口にねじ込むように薬を喉の奥に入れようとすれば、恐怖心が先に立った愛犬に思わず咬みつかれたという体験談はよく聞きます。
水が嫌いな愛犬にシャンプーをするときも同じで、逃げ回る愛犬を拘束して洗おうとすると勢い余って咬みついてでも抵抗するような子もいるようです。


いくら信頼している絶対服従するべき飼い主であっても嫌いなものは嫌いですので、拘束されて無理やりとなると恐怖心が先に立って飼い主であることも忘れるほどのパニックに陥り、つい咬みついてしまうということがあるようです。

参照元:子犬のへや 犬の恐れ
http://www.koinuno-heya.com/fukushi/osore.html

まとめ

高齢になってから難聴気味になると小さな音でも聞こえる犬の聴力は羨ましいと思っていましたが、聞こえすぎるが故に嫌な音や怖い音が増幅されるということもあるのには驚きです。
視覚にしても、愛犬が見ている世界がどんなものであるかを知っていたら、何故こんなことを怖がるのかが理解できるというものです。
そして、犬が怖がる理由が分かれば、散歩や暮らしの中で拒絶するのを単純に叱るのではなく、恐怖心を和らげるために注意してあげられることもたくさんありそうです。

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