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嗅覚を利用したイヌのサバイバル術!

イヌが嗅覚に優れた動物であることは、誰でも知っていることです。
言葉を手に入れた人間の嗅覚が劣っているだけで、嗅覚が発達している人間以外の動物は結構たくさんいます。
仲間を見つけるため、敵の接近を察知するため、繁殖する相手を見つけるためなど、天然界で生き抜き子孫を反映させるためには嗅覚は重要な感覚です。

 

ちなみに、イヌにも情報を伝達するための人間の言葉の代わりになるものは存在します。

敵を発見した時には威嚇するために「グルルルル・・・」と唸り、敵と遭遇すると「ワン!ワン!」と吠え、怯えたり痛みを感じたりした時に「キャン!キャン!」と吠え、甘えたりおねだりをしたりするときに「クゥーン・・」となくこともあります。

吠え方にも意味があり、ある程度の情報伝達は可能ですが、人間に比べるとボキャブラリーは少なく情報を伝える術が限られています。

野生で生き抜くためには、やたらと吠えるというのは相手に自分の居場所を伝えることにもなりますので得策ではなく、音が出ない嗅覚を利用した情報伝達手段が発達したのかもしれません。

先にご説明させていただいたように、イヌは自分の存在をアピールするために自分の縄張りの要所に臭いを残して回る習性があります。

相手の情報、すなわち、臭いを確認するために必要な感覚が嗅覚です。

できるだけ広範囲の臭いを回収し、可能な限り詳細に分析するために臭いを感知するイヌの器官、すなわち、鼻、鼻腔、さらには臭いを感知するための神経系統は、野生で生き残るために人間よりも優れているということが出来ます。

イヌの鼻の構造

イヌの顔の形状は、顔の長い長頭種から、正面からへしゃげたような形をしている短頭種まで様々です。
イヌの鼻の付け根部分、すなわち、眼の部分から先端部の鼻先までの口吻部は「マズル」と呼ばれています。
イヌの吠え癖や咬み癖を強制する器具を「マズル」と呼ぶのは、口吻部を包み込んで口が開かなくなる道具であることに由来しています。

アフガンハウンドやシェパードのようにマズルが長いイヌが長頭種と呼ばれる犬種であり、嗅覚が特に鋭い犬種です。

逆に、ブルドッグやパグのようなマズルの短い短頭種や、最も多くの犬種が含まれる中頭種は、イヌ同士の比較で考えるとどうしても嗅覚は劣ると考えられています。

嗅覚には臭い成分が吸着する鼻腔内の粘膜の表面積が大きく影響するので、マズルの長いイヌの嗅覚が鋭くなるということは容易に想像できる話です。

また、鼻先にも、より多くの臭い成分を集める構造的特徴があります。

イヌの鼻の穴をよく見ると、人間の鼻の穴とは形が異なっています。

鼻の穴をの正式名称は外鼻孔と言いますが、イヌの外鼻孔は外側に向けて切れ込みがあり、鼻の脇に存在する空間からも空気を吸い込むことが出来るようになっています。

すなわち、一度吸い込むだけでより広範囲の空気を吸い込むことが可能な構造をしており、ちょっとした臭いの変化にも敏感に反応できるというわけです。

さらに、鼻先の黒っぽい部分、すなわち、上唇溝や鼻鏡と呼ばれる部分を含む領域は常に湿った状態にあり、空気中の臭い成分を吸着することが出来る状態になっています。

寝起きなどで鼻先が乾燥しているときに舌を伸ばしてペロペロ舐めるのは、湿らせて臭い成分が存在するかを確認する行動と言われています。

鼻の真ん中にある溝の上唇溝を境に、左右の気化熱の違いを感知し風が右から吹いているのか左から吹いているのかを知ることも出来ます。

ちなみに、イヌの鼻先には鼻紋と呼ばれる複雑な線による模様が入っており、人間の指紋のように一つも同じ模様が無いと言われています。

イヌは臭いを識別する!?

鼻腔内の粘膜に付着した臭い成分は、粘膜に含まれている上皮細胞の表層にある受容体に結合します。

受容体は臭い成分の特定の化学構造に結合しやすい構造をしており、一つの臭い成分に一つの受容体があるわけではありません。

従って、似たような化学構造を持つ臭い成分は同じ受容体に結合することが出来る可能性があります。

他方、臭い成分は複雑な構造を持っており、一つの成分が複数の受容体に結合することも出来ます。

さて、受容体に化学物質が結合することによって、特定の電気信号が嗅球という臭い情報を処理する部分に伝わります。

すなわち、一つの臭い成分によって複数の電気信号が嗅球に伝えられ、その信号パターンから脳にある嗅覚中枢にある情報と照合することで臭いとして認識されることになります。

イヌの脳は人間よりも小さいことは言うまでもありませんが、嗅球の大きさは人間よりも大きくなっており、イヌの嗅覚が人間よりも優れていることには嗅球の大きさも大きく影響しています。

一方、臭いに関する情報処理能力に優れているイヌの嗅覚では、臭いの階層化という作業も行われています。

間は複数の臭いが混合されている場合に総合的な判断しかできませんが、イヌは一つの臭いを個々の臭い成分レベルまで分割して判断することが出来ます。

この能力を最もうまく利用したのが、警察犬と呼ばれるイヌになります。

犯人の遺留物に付着した犯人特有の臭いを記憶し、いろいろな臭いが入り混じった地面に残された犯人の臭い成分だけを追跡することが出来るというわけです。

イヌが得意とするのはどんな臭い?

野生のイヌが生き抜くために感知しなければならない重要な臭いというのは、敵、獲物、異性などの生物が発する臭いです。

生物から発せられる臭いのもととなる成分は、炭素、窒素、水素と酸素で構成された有機物と呼ばれる物質です。

当然ながら、有機物の臭いを識別する能力は、とりわけ優れているということが出来ます。

イヌの嗅覚は人間よりも優れているということに間違いはありませんが、臭いを識別する能力としては得意な臭いと不得意な臭いがあります。

天然界に存在しない人工物の臭いや、経験する可能性の極めて少ない必要としなかった臭い成分は苦手な臭いということが出来るかもしれません。

人間の臭い成分も有機物ですので人の臭いを嗅ぎ分けるのも、得意とする能力の一つです。

自分の主人や好きな人、好きなイヌの臭いは普段から良く嗅いでいる臭いであり、風向きにもよりますが、結構離れた場所からでも存在を見出すことが出来るようです。

また、発情しているときには異性が出すフェロモンに敏感に反応するようになるのも、優れた嗅覚のなせる業ということが出来ます。

ほんの僅かでも記憶にある臭いが、鼻腔に吸い込まれた時点で素早く臭いのもとが何であるかを判別して、適切な対応をすることができるというのがイヌの嗅覚の最も優れている点です。

他方、有機物の一種であっても花やハーブのような植物系の臭いに対しては、野生のイヌ属にとっては興味の対象外であり、比較的識別が苦手な臭いといういことが出来るかもしれません。

しかし、植物系の臭いにはイヌが食べてはいけない忌避素材も存在しますので、それらを識別するために懸命に臭いを嗅いで記憶に刷り込むような行動をとる姿も良く見かけます。

絶対的に必要な敵や獲物を嗅ぎ分けるための臭いや、自分の遺伝子を次世代に残すためのメス犬を探す臭いに対しては特別な訓練をしなくても識別することが出来ますが、本来は苦手としている臭いでも訓練次第で、嗅ぎ分けることが出来るように学習することも出来るというわけです。

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